Web制作者はネットワーク技術者ではありません。
2005年5月2日(月)
今の会社の社内ネットワークの件で、WebのK君としばらく話をしました。
話の発端は、社内ネットワークを再構築しようというところから。最近、社内ネットワークが遅くなってきていたり、繋がらない端末があったりと問題が発生してきています。しかし、現在の社内LANを誰が組んだのかもわからなければ、ネットワーク図も無い状態。そこで、K君が「ウチらでLAN構築をもう一度やり直してちゃんとしたネットワーク図を作ったほうがいいのでは?」と提案。俺が「そこまでする必要があるかなぁ」と言った次のK君の台詞が「これはWebチームの業務ですから」。
俺もK君も、Web業界黎明期にネットワークエンジニア的な業務を経験していたため、『Web制作者=ネットワーク構築や管理運用も行う』という図式が無意識のうちに出来ていたのだと思います。確かに、今から5年ほど前、パソコンの普及を一気に加速させたのは『インターネット』の存在でした。それは疑う余地は無いと思います。なので、当時パソコン素人の一般企業のユーザーからしてみれば、『パソコン=LAN=インターネット=ホームページ』という図式が出来上がり、Webサイト制作を行える人はパソコンの知識もLANの知識も当然持ち合わせているだろう、ということになっていたのだと思います。当時は不思議と筋違いな感じはせず、当時のサイト制作者はそれに付随する業務として多かれ少なかれPCトラブルの対応や簡単なLAN構築も行っていたと思います。
しかし、今の時代−Web制作もちゃんと学校で習うことが出来るようになり、一つの職種として確立された分野になっている時代−からこの業界に入る人にネットワーク図の書き方やネットワークの知識、ルータの設定方法やLANケーブルの作り方を予め学んでおいてもらうのは到底無理な話であり、元来サイト制作とネットワーク構築の接点は「パソコンを使う」という以外は何もないので、それを『Webチームの業務』として認識するのは危険なことだと思ったのです。
K君は、会社の現状を見て、実際にネットワーク構築を行えるのはWebチームの面子しかいないのでそう言ったのですが、会社にまで『ネットワークのコトはWebチームの業務』として捉えられては困ります。Webに関わる仕事をする対価として給与をもらう契約を会社としているのであり、その業務範囲内にネットワークの話は無いので。
この話の本質は、俺が『理屈や道理』の観点から、K君が『現実』の観点から話をしているということなので、話をしても堂々巡り。もっとも、お互いの言っている内容はお互い十二分に理解できるので、会話はスムーズなのですが。
最終的に、『ネットワークの現状を会社に報告し、ネットワーク構築を行う業者に見積もりをとり、ネットワーク構築、ネットワーク図の納品を行って貰うのが筋』というしごく真っ当な提案をし、K君にも納得してもらいました。
俺もK君も、工具一式と機器があれば中小規模のネットワーク構築くらいなら出来るし、ネットワーク図もキッチリと作成できます。嫌いでもないです。正直、楽しそうだと思うし。でも、一度それをやってしまうと、現状の待遇のまま業務範囲がどんどん広がり、結果的に自分の首を絞めることに繋がるだけです。一昔前ならともかく、今の時代、Web制作者はWeb制作者としての自覚と信念を持って自分の業務に邁進しましょうと。せっかくWeb制作業務が社会で認められ、その道で生活できる状態になってきたのだから、制作者自身が『何でも屋』と自覚してしまったら、業界全体が築き上げてきた立場が無意味になりかねません。
そんな話をしながらも、Web制作者ながらネットワーク構築やシステム開発、PCサポートまで全て行っていた前職の業務内容を思い出し、懐かしくなったりもしていたんですけどね。
というわけで、Web制作者はネットワーク管理者ではなく、PCサポート要員でもないのです。知識や経験を活かして提案をするくらいにとどめておきましょう。
投稿者 なおか : 23:59 | 2.web



